=== 前後関係 ===
まず日本の品質管理の領域では
* PDCAサイクル
* Plan
* Do
* Check
* Act
が改善の基本行動パターンとして徹底して用いられる。PDCAでそして
* QCストーリー
* 問題解決型QCストーリー
* 課題達成型QCストーリー
が問題解決に関するコミュニケーションのポピュラーなテンプレートとして、それぞれ用いられている。QCストーリーは問題解決のフローチャートでもあり、1度にストーリーを問題設定から水平展開・今後の課題まで直行できる訳はなく、そこここで小さなPDCAサイクルを回しつつ、中ぐらい、大きなPDCAも回すことになる。ただ成果発表は、このテンプレートで行われるのが通例である。
QCストーリーに則して説明される問題解決や改善において、日常的に用いる現状把握や問題の解析手法には大きく、
* QC7つ道具:
* グラフ
* ヒストグラム
* 管理図
* チェックシート
* パレート図
* 特性要因図 (cause and effect diagram)
* 散布図
* 層別
* 新QC7つ道具
* 親和図法
* 連関図
* 系統図
* マトリックス図
* マトリックス・データ解析法
* 過程決定計画図法(PDPC法)
* アロー・ダイヤグラム法
の2つのセットがある。互いに、QC7つ道具が基本で、新QC7つ道具が少し高度、といった位置づけである。
幾つかのシンプルな統計的データ手法と問題解析手法を徹底して使い込むのが、品質管理における現状把握や問題の解析の基本姿勢である。
また現場のエンジニアが自ら、データの収集、現状把握、問題の解析、状況改善や問題の解決に取り組むこと、そして歯止めや水平展開まで必ず取り組むこと、が日本の産業界の大きな特徴であり、強みである。
QC7つ道具も新QC7つ道具も、問題解決法と合わせて初めて、これらの名称を持つのであり、手法のみを教育すると、他の名称を持つ酷似した手法との区別が付きにくくなる。
統計工学実験の第1週の目的は、品質管理の探索的データ解析法としてのQC7つ道具の用い方を、演習課題を通した疑似体験を通して学習することである。
=== 配付資料 ===
- 「統計工学第1週」(第1週の実験内容についてのメモ)
- 「講義内演習課題」(これの内容が終わったら、帰ってもいい)
- 「時間外演習課題 解析事例」(時間が余ったら、こっちも終わらせて帰るといい)
- 「データのとり方・まとめ方」(レポートの考察を書く際の参考資料になるかも、と配布した)
=== 参考資料 ===
- [[http://www.ec.kansai-u.ac.jp/user/arakit/documents/Getting-Started-with-the-Rcmdr-ja.pdf|Rコマンダー入門]]
- [[http://www.ec.kansai-u.ac.jp/user/arakit/documents/Rinst.pdf|R,Rコマンダー,パッケージ・プラグインのインストール]]
=== 講義内演習 ===
- R言語のインストール
* [[http://cran.r-project.org/|CRAN]]からRのダウンロードとインストール。
* インストールしたのRのショートカットをデスクトップに作成し、"--sdi"というオプションつきで起動するように編集する
- インストールしたフォルダの中でRgui.exeを見つける。
- Rgui.exeのショートカットをデスクトップに作成する。(作成してから移動してもいい)
- 「Rgui.exeのショートカット」という名称を「実験用R」と変更しておくと、既にインストール済みだったRと区別がつく。
- ショートカットを右クリックし、プロパティを表示させ、「リンク先」の中の「"C:\.....bin\i386\Rgui.exe"」を「"C:\...\Rwin.exe --sdi"」と変更しておくと良い。
* パッケージをインストールするために、Rの中でプロキシを設定する。 Sys.setenv("http_proxy"="http://130.153.8.66:8080/")
* Rの拡張パッケージ(RコマンダーとRコマンダーのプラグインとRコマンダーが必要とするパッケージ)のインストール。ドキュメントにはメニューから・・・とあるが、Rのコマンドラインから次の命令をを実行すれば済む(はず)。install.packages(pkgs=c("Rcmdr"),dependencies=TRUE)
install.packages(pkgs=c("RcmdrPlugin.FactoMineR","FactoMineR"),dependencies=TRUE
install.packages(pkgs=c("RcmdrPlugin.HH","HH","car","multcomp","leaps","lattice","grid","grDevices"),dependencies=TRUE)
install.packages(pkgs=c("RcmdrPlugin.TeachingDemos","TeachingDemos","tkrplot"),dependencies=TRUE)
install.packages(pkgs=c("mgcv","abind","rgl","vcd"),dependencies=TRUE)
install.packages(pkgs=c("RcmdrPlugin.qcc","qcc"),dependencies=TRUE)
install.packages(pkgs=c("DAAG","HSAUR","Hmisc","MASS"),dependencies=TRUE)
install.packages(pkgs=c("abind","alr3","asuR","ca","effects"),dependencies=TRUE)
install.packages(pkgs=c("faraway","ggm","homals","lmtest"),dependencies=TRUE)
install.packages(pkgs=c("mda","mvtnorm","qAnalyst"),dependencies=TRUE)
install.packages(pkgs=c("relimp","sandwich","strucchange","vcd","zoo"),dependencies=TRUE)
* [[http://www.ec.kansai-u.ac.jp/user/arakit/RcmdrPlugin.QCtools.html|RコマンダーのQC7つ道具プラグイン]]のインストール。
* [[http://www.ec.kansai-u.ac.jp/user/arakit/RQC7bookdata.zip|データ]]のダウンロード。
- RコマンダーのQC7つ道具プラグイン(パレート図、グラフ、ヒストグラム、散布図)を使ってみる。
* R 2.13.0以降では、Rコマンダーで日本語を含むデータファイルを読み込むことができないことがある。[[http://www.ec.kansai-u.ac.jp/user/arakit/documents/clipboard.pdf|ここにある手順]]に従って、CSVファイルをExcelで開いて、コピーしてクリップボード経由でインポートすることになる。ご不便をおかけして申し訳ない。上のパッケージをすべてインストールした後に、日本語を含むファイルの読み込みに成功する場合があることが分かっている。
* グラフの持ち帰り方法には主に次の2つがある。
* 描画したグラフの上で右クリックをして表示されるメニューで、「メタファイルに保存」(Word等で再利用する場合)か「ポストスクリプトファイルに保存」(LaTeXで再利用する場合)を選ぶ。グラフ1枚ごとに1ファイル保存し、すべて保存し終わったら、圧縮フォルダなどを作成して持ち帰ることになる。
* 描画したグラフの上で右クリックをして表示去れるメニューで、「メタファイルにコピー」を選び、Wordなどに「貼り付け(P)」る。すべてのグラフを1つのWordファイルに入れて持ち帰ることになる。
* ファイルの持ち帰り方法には主に次の2つがある。持ち帰ったファイルを再び実験室で必要とすることは、たぶんない。
* ブラウザで自分のウェブメールにログインし、ファイルを添付して送付する (ブラウザで利用できるGoogle Driveなどのオンラインストレージサービス、宅ふぁいる便などのファイル送信サービスもあり得る)
* 自分のUSBメモリに、ファイルをコピーして持ち帰る
- 「講義内演習課題」の事例に沿って、各種のグラフを作成する (グラフは表示させたら、右クリックで保存できるので、JPEGないしEPSで保存すると良い)
=== 時間外演習 ===
- 「講義内演習課題」と「データのとり方・まとめ方」に則して、考察を付記する。「講義内演習課題」に記されていない考察は、強調して記すこと
- 調べてまとめる (宿題)
* 層別
* QCストーリー、QCストーリーとQC7つ道具の関係
* 管理図の種類、作り方、読み方
- 「時間外演習課題 解析事例」の各種グラフの再現(管理図含む)と、記載されている考察のグラフを見ながらの確認と、この事例のストーリー以外の可能性の検討(技術的詳細を調べる、あるいは想像するなど)
=== レポート ===
レポート提出要領:下記「XXXXXXX」は各自の学籍番号(半角文字)で置き換えること
^項目^指定^
|提出期限|実験実施の翌週の火曜日の午前10時30分まで|
|提出方法|電子メールに添付 (宛先は配付資料に記載)|
|ファイル形式|Wordファイル (LaTeXで作成する場合は、dvipdfmxでPDFに変換すること)|
|メールの件名|統計工学実験1レポート提出(XXXXXXX)|
|レポートファイルの名称|統計工学実験1_XXXXXXX.doc あるいは 統計工学実験1_XXXXXXX.docx|
|提出部数|レポートは各自1通ずつ。{{:mselab:report-header-2012.doc|レポートの表紙}}に、共同実験者の学籍番号と氏名を記すこと。|
=== 参考資料 ===
* 荒木孝治・編著 (2009) [[http://bit.ly/RQC7toolsBkEd2|フリーソフトウェアRによる統計的品質管理入門 第2版]]
=== サポート欄 ===
* 経営情報学実験室について、[[mselab:2012:309|簡単なメモ]]を起草した。
* Rコマンダーについて、[[http://appl.stat.inf.uec.ac.jp/dokuwiki.php?id=r:how_to:r_commander|簡単なメモ]]が見つかった。Macユーザは注意が必要。
* RとRcmdrとその他のパッケージの組み合わせで、日本語の扱いについて不具合が生じている。
* qccをインストールすると、RcmdrPlugin.QCtoolsでパレート図が描けるようになる。
* すべてをインストールすると、日本語を含むデータファイルをメニューで読み込めた、という例がある。