目次
Google Classroom
Google Classroomは、「Google と米国内の教育者が協力して構築した Classroom は、教師による課題の管理をサポートするシンプルで使いやすいツールです。Classroom を利用すると、教師はクラスの作成、課題の出題と採点、フィードバックの提供などを 1 か所で行えます」だそうです。(Classroom で指導と学習を管理するより)
まずはGoogleがYouTube上で公開しているClassroom 101という動画(セリフなし)をご覧ください。 2分弱ですが、Google Classroomでできることがおよそ紹介されています。
シンプルなワークフローを提供する
4つのページを行き来するシンプルなワークフローを提供します。
ページ名 | 機能 |
---|---|
ストリーム | Facebookのタイムラインのようなもの、最新の通知や発言が一番上にくる、教師と生徒とのコミュニケーション広場、予約投稿も可能 |
授業 | 教師にとっては課題(Assignment)、テスト付き課題(Quiz)、質問(Question)、資料(Material)を設定するページ、生徒にとっては教材にアクセスしたり課題を提出するページ |
メンバー | 教師と生徒の名簿の管理画面、個別の履歴へのアクセス画面、ここから教師や生徒を招待できる |
採点 | 提出された課題を採点するページ、教師にのみ現れる |
クラスは名簿の単位です
クラスは名簿の単位です。同名の科目を複数クラスで担当している場合には、クラスの名称は別々にしておくのが良いです。
たった4つのページで構成されている
ストリーム
ストリームページでは、発言の投稿とそれに対するコメントをやりとりします。 投稿はリアルタイムの提示と、日時を指定した投稿の予約が可能です。 教師の授業ページへの投稿も、ストリームページで告知されます。 投稿にはファイルを添付できますが、たぶん質疑等のための機能です。 なお、ストリームページの内容はクラスの全員で共有されます。
授業
授業ページでは授業のために、課題、テスト付きの課題、質問、資料の4種類を投稿します。 それぞれに、次のものを添付できます。
- Googleドライブからのファイル
- URLへのリンク
- アップロードするファイル
- YouTube
- Google Appsでオンラインで作成したファイル (ドキュメント, スライド, スプレッドシート, 図形, フォーム)
課題には点数(満点)と期限(日時)とトピックを設定できます。また提出物を求めることができます。 4種類の詳細は比較は次の通りです。
授業の種類 | 詳細 | 対象指定 | 添付ファイル | 提出物 | テスト | 質問 | トピック | 期限 | 点数 | ルーブリック | 生徒同士の返信 | 提出物の修正 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
課題 | ○ | ○ | ○ | ○ | − | − | ○ | ○ | ○ | ○ | − | − |
テスト付きの課題 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | − | ○ | ○ | ○ | ○ | − | − |
質問 | ○ | ○ | ○ | ○ | − | ○ | ○ | ○ | ○ | − | ○ | ○ |
資料 | ○ | ○ | ○ | − | − | − | ○ | − | − | − | − | − |
- テスト付きの課題は、課題に加えて、フォームを用いたテストが自動的に添付されます。
- 質問は、課題に加えて、記述式と選択式の質問を付与できます。質問は、生徒同士のコミュニケーションを許可したり、提出した回答の修正を許可したりできます。
- 資料には提出を求めるものがなく、期限も点数もありません。
メンバー
メンバーページを開くと教員と生徒の名簿が表示されます。 生徒の名前をクリックすると、それぞれの生徒の状況を閲覧できます。 それぞれにメールを送信する機能も備えています。 ただし、多くの生徒がいる大きなクラスのマネジメントには向かないインタフェースです。
このページから他の教員や生徒へ、メールを送って招待することもできます。
ティーチングアシスタントは、クラスを作成した教員が、役割を担っていただく院生をGoogle Classroom上の教員役に招待します。クラスを作成した教員との違いは、生徒の登録抹消ができないことだけです。この点は、WebClassの方が関わる役割の種類が多く、権限もそれぞれに異なります。
採点
生徒が提出した課題、取り組んだテストの採点をするページです。 生徒がClassroomにアクセスする場合には、採点ページは表示されません。 クラスの提出課題の採点は、すべての教員役のアカウントで実行可能です。
採点は提出物を閲覧しながら行えます。成績、コメント記入済みの提出物、及び生徒本人限定公開のコメントは、返却ボタンを押すと。生徒に提示されます。返却ボタンを押すまでまでは、開示されません。 これはGoogle Classroomはワークフローがとてもシンプルなことの典型的な現れです。
Google Classroomを利用するワークフローのイメージ
教員サイド
- 授業ページに教材と取り組む課題のセットをアップロードする (直ちにストリームに告知される)
- 授業時間中はストリームを通じて質疑を受け付ける
- 陥りやすいミスなどがあればストリームで発言して補う
- 生徒に課題を提出してもらい、それを到達度の評価に用いると共に、採点して生徒にフィードバックする (授業内小テストや、翌週提出レポートのイメージ)
生徒サイド
- 質問等への対応について確認する (授業時間中はリアルタイム, それ以外はラグありなど)
- ストリームページに告知された教材の公開を見て、アクセスする
- 課題に取り組む
- 質問があれば、ストリームページか授業ページの質問か、いずれかで送信する
- 課題を提出する
- 採点結果を見て、次にまた頑張る
まとめると
教師 | 生徒 | |
---|---|---|
教材の提示 | 授業ページに資料をアップロードする | |
教材の確認 | ストリームページの告知を確認する | |
課題への取り組み | 授業ページにアクセスして課題の内容を確認し、取り組む | |
質疑1 | ストリームページへの生徒からのコメントを待つ | ストリームページの告知にコメントをつける |
質疑2 | 授業ページに質問を設定する | ストリームページの告知を確認して、アクセスし、答える |
課題提出 | 授業ページの課題にファイルを提出する | |
採点 | 採点ページにアクセスして、採点する | |
フィードバック | 採点された課題を確認する |
かゆいところには手が届きませんが、細かい設定を諦めることで、仕事のフローが比較的単純にルーティン化できる感じです。WebClassの方がずっと柔軟です。
本学で活用する場合に
すでにeラーニングセンターが運用しているWebClassや、複数のサーバ上で運用されているMoodleがあります。Google Classroomを用いると、すべての授業を遠隔で実施する際の、既存のサーバへの一時的な負荷増加を軽減する一助にもなりそうです。
G Suite for Educationで本学のドメインのユーザIDを用いてユーザ認証を行う場合に、本学のユーザIDを持たないアカウントではアクセスできないような設定が可能です。これはGoogle Classroomのみならず、Driveなどすべてのコンテンツについて同様です。
用語について
英語サイトでの用語 | Googleによる翻訳用語 | 他の翻訳 |
---|---|---|
Class | クラス | 科目, クラス |
Stream | ストリーム | - |
Student(s) | 生徒 | 学生 |
Classwork | 授業 | 授業, 課題, 講義 |
Assignment | 課題 | 宿題, レポート |
Quiz | テスト | 小テスト, 授業内テスト |
People | メンバー | 受講者, 履修者 |
スライド
2020.04.22 説明用の資料を改訂し、台詞をすべて記してアニメーションも多用し、ZIPで圧縮したファイルダウンロードは4MB、展開すると33MBになります。ナレーションも埋め込んでZIPで圧縮したファイルは11MBで、展開すると66MBです。後者はスライドショーで自動再生ができますが、YouTubeへのリンクはマウス操作が必要です。もっとも容量が小さいのは、eラーニングセンターに掲載していただいたPDFファイルです。
2020.04.21 説明用のスライドを作りました。また使ってみようとする例のスライドも作ってみました。