目次
統計工学 2週目
はじめに
連絡 2012.12.11
- 自分で頑張って、とお願いした、回帰分析と決定木分析のコードを追記しました。
- データの説明に、変数名を参考までに追記しました。
概要
今週の実験の内容は
- データマイニング:保険のデータのV86の予測モデルの構築
- 回帰分析
- 決定木
- ロジスティック回帰 (オプション)
である。3週間の流れがデータ分析(第1週)を行って、回帰分析等によるモデル構築(第2週)、そして第3週の他の手法も組み合わせたモデル構築と結論へと繋がるため、今週は多変量解析との内容の重複を避けずにおいた。また同科目の履修を前提としていないため、回帰分析の学習も自習内容として含めてある。
- 先週に続いてデータの把握、特にV86を中心に。
- 回帰分析の2つの課題、同じ課題を決定木も(自習、練習に相当)
- 解析データを用いた1つの課題(本番)
に取り組んで貰う。
実験の流れ
時間内課題:回帰分析(のたぶん復習)と決定木分析
- 回帰分析
- 配付資料とこのページにあるコードを参考に、単回帰(説明変数1つ)と重回帰(説明変数2つ)の場合を自習して、回帰分析の結果の読み方について学ぶ。(時間内は少なくとも、分析結果やグラフをすべて得て、Wordに貼るなどしてお持ち帰りするところまで)
- 重回帰(説明変数2つ)の場合で、さらに変数を分類尺度に変換し、分類尺度の説明変数を含む場合の回帰分析の結果の読み方(特に推定値Estimateの意味や解釈)について考える。
- 決定木分析
- 回帰分析と同じデータを、決定木分析にかけてみて、どのようなモデルかを考える。
課題:保険会社の顧客データのデータマイニング (時間内はできるところまで)
- まずは分類数の多い変数(V1とV5)の数を減らす。
- 回帰分析と決定木分析を行う。
- 得たモデルを考察する。
本実験に関係するメモ
- 配付資料とRの実行結果を見比べながら、lm関数を用いた回帰分析で出力される情報のどれが、配付資料のどれに対応するのかを把握する
- 回帰係数の推定値: Estimate
- 切片: Intercept
- 寄与率: R-Squared
- 自由度調整済み寄与率: Adjusted R-squared
- F値: F-statistic
- 自由度: DF, degrees of freedom
- t値: t value
- P値: Pr(>|t|), p-value
- 標準誤差: Std. Error, standard error
- 残差: Residuals
- (回帰)係数: Coefficients
- てこ比: Leverage
- 標準化残差: Studentized Residuals
- rpart関数を用いた決定木分析の出力を見ながら、決定木分析はどのようなモデルを構築するのかを検討する
- 保険データの回帰分析、に取り組む (保険データの回帰分析)
- 回帰係数の推定
- 変数の加工(今回初)
- 分散分析によるモデルの有意性の検討や回帰係数の有意性の検討
- てこ比や標準化残差などの検討
- 変数の増減 (stepAIC関数を使う?)
- 以上を繰り返す
- 保険のデータの決定木分析、に取り組む (時間外課題)
- オプション課題
- 回帰分析で変数選択を行う
- 手動でP値を見ながらの変数減少法
- AICを用いた変数増減法 stepAIC()
- 決定木の学習パラメータの調整
時間内課題1:回帰分析の自習
単回帰分析
配付資料の表4.1のデータの入力は次の通り。
x <- c(2.2,4.1,5.5,1.9,3.4,2.6,4.2,3.7,4.9,3.2) y <- c(71,81,86,72,77,73,80,81,85,74) table.4.1 <- data.frame(x=x,y=y)
回帰分析の実行にはlm関数を用いる。
lm(y~x, data=table.4.1)
「y~x」は、変数yを変数xで説明する回帰分析を行うための表現。これは <jsmath> Y = \beta_0+\beta_1 X+\epsilon </jsmath> という回帰式を推定せよ、という意味である。
回帰分析の詳細を示すには、lm関数の実行結果を別の変数lm.4.1などに代入してから、詳細を出力させるsummary関数を用いる。
lm.4.1 <- lm(y~x, data=table.4.1) print(lm.4.1) summary(lm.4.1)
問1:このsummary関数の出力結果を、配付資料と対比させて理解せよ。
回帰分析の結果を診断するために、幾つかのグラフを出力する機能がある。lm関数の実行結果をplot関数にかければ、そのようなグラフが4枚、順次出力される。
plot(test.lm)
問2:このplot関数の出力結果を、配付資料と対比させて理解せよ。
重回帰分析
表5.1のデータは次のように入力する。
x.1 <- c(51,38,57,51,53,77,63,69,72,73) x.2 <- c(16,4,16,11,4,22,5,5,2,1) y <- c(3.0,3.2,3.3,3.9,4.4,4.5,4.5,5.4,5.4,6.0) table.5.1 <- data.frame(x.1=x.1,x.2=x.2,y=y)
回帰分析の実行には、説明変数が複数あっても(重回帰でも)lm関数を用いる。
lm(y~x.1+x.2, data=table.5.1)
今度は説明変数が2つあるので、「y~x.1+x.2」となる。これは <jsmath> Y = \beta_0+\beta_1 X_1 + \beta_2 X_2+\epsilon </jsmath> という回帰式を推定せよ、という意味である。
回帰分析の詳細を示すには、lm関数の実行結果を別の変数lm.5.1などに代入してから、詳細を出力させるsummary関数を用いる。
lm.5.1 <- lm(y~x.1+x.2, data=table.5.1) print(lm.5.1) summary(lm.5.1)
問4:このplot関数の出力結果を、配付資料と対比させて理解せよ。
重回帰応用(水準変数が説明変数に含まれる場合)
上のデータを、広さを「広め(w)」「狭め(n)」とし、築年数も「新しめ(new)」「古め(old)」にする
x.1 <- c("n","n","n","n","n","w","w","w","w","w") x.2 <- c("old","new","old","old","new","old","new","new","new","new") y <- c(3.0,3.2,3.3,3.9,4.4,4.5,4.5,5.4,5.4,6.0) table.5.1.c <- data.frame(x.1=x.1,x.2=x.2,y=y)
問5:このデータで、回帰分析を行い、グラフも作成して、先のモデルと何が異なるか、検討せよ。
lm.5.1.c <- lm(y~x.1+x.2, data=table.5.1.c) print(lm.5.1.c) summary(lm.5.1.c) plot(lm.5.1.c)
時間内課題2:決定木分析の自習
まず、次の一行を実行しておく。
library(mvpart)
上の実行例で「lm」とあるところをすべて「rpart」で置き換える。
rpart.4.1 <- rpart(y~x, data=table.4.1) print(rpart.4.1) summary(rpart.4.1) plot(rpart.4.1) text(rpart.4.1)
rpart.5.1 <- rpart(y~x.1+x.2, data=table.5.1) print(rpart.5.1) summary(rpart.5.1) plot(rpart.5.1) text(rpart.5.1)
rpart.5.1.c <- rpart(y~x.1+x.2, data=table.5.1.c) print(rpart.5.1.c) summary(rpart.5.1.c) plot(rpart.5.1.c) text(rpart.5.1.c)
問6:これらがどのようなモデルか、データと出力に照らして検討せよ。 グラフと画面出力の比較をまず行うとよい。またlm.5.1、lm.5.1.c、rpart.5.1、rpart.5.1.cの間の違いは考察せよ。
課題:保険会社の顧客データのデータマイニング
- TICデータは、V65からV86までが22種類の保険商品の契約件数である。今回はV86の契約に漕ぎ着けるためのモデル構築、を目的とする。
- 重回帰分析を行い、分析結果を考察せよ。
- 重回帰分析の結果を用いて、指定された保険商品の契約に関する予測式を構築せよ。
- 線形モデルと重回帰分析を用いて、このデータをデータマイニングすることについて、考察せよ。
- 余裕があったら、リンク先を参考に、ロジスティック回帰にも取り組んでみよ。(重回帰と決定木がとりあえずの目標)
前の班との違い
- モデルの学習(推定、構築)は、学習用データのみでいい
- 分類変数のグループ化はできるだけ、行った方がいい
- モデルを得るだけでいい
やらなくて良いこと。
- 検証用データでの検証
- 訪問対象の明確化 (モデルのみでいいから)
データの説明
TIC2000
tic.data.txtからの要約。
- CoIL 2000 Challengeで用いられた保険会社の顧客に関するデータ。86個の変数は、契約状況(V44-V85)と社会人口統計学的な変数(V1-V43)を含んでいる。この調査は “Can you predict who would be interested in buying a caravan insurance policy and give an explanation why?” という問いに答えるように集められた。
- このデータはオランダのデータマイニング会社Sentinent Machine Researchから提供され、現実のビジネスの問題に基づいている。学習用データ(ticdata2000.txt)は5000レコードでcaravan insurance policyの契約の有無(V86)を含んでおり、検証用データ(ticeval2000.txt)は4000レコードで契約の有無(V86)は含んでいない。検証用データの正解は、CoIL 2000 Challengeの開催時には公開されていなかったが、現在はテストデータ(tictest2000.txt)として公開されている。
- V1-V43のうち、コード化が指定されていない変数はすべて、郵便番号の一桁目のエリアを指している。たとえばV30が9ならばその顧客は郵便番号が9で始まるエリアに家を借りていることを、V31が5ならば郵便番号が5のエリアに持ち家があることを意味する。職業、社会層などもすべて、該当するエリアの箇所が郵便番号の一桁目で埋まっている。
変数
dictionary.txtからの抜粋と要約、の日本語版。
変数 | 分類 | メモ |
---|---|---|
V1 | 顧客分類2 | L0でコード化されている、数字の大きさに意味なし |
V2 | 住居数 | 大きいほど住む箇所が多い |
V3 | 世帯構成員数の平均 | 人数 |
V4 | 世帯構成員の平均年齢 | L1でコード化されている、年齢 |
V5 | 顧客分類1 | L2でコード化されている、数字の大きさに意味なし |
V6-V9 | 宗教 | L3でコード化されている、V6+V7+V8+V9は9から12の間。それぞれの宗教を信じる割合? |
V10-V13 | 結婚 | 場所を表す変数, 例えばV10が0ならば無し? |
V14-V15 | 世帯の大きさ | L3でコード化されている、なぜかV14+V15は10以下。割合? |
V16-V18 | 教育水準 | L3でコード化されている、なぜかV16+V17+V18はほぼ10、それぞれの年数?割合? |
V19-V24 | 職業 | L3でコード化されている、なぜかV19+V20+V21+V22+V23+V24は9から13の間 |
V25-V29 | 社会層 | L3でコード化されている、なぜかV25+V26+V27+V28+V29は9から12の間 |
V30-V31 | 住居 | L3でコード化されている、なぜかV30+V31は9か10 |
V32-V34 | 自動車 | L3でコード化されている、なぜかV32+V33+V34は9から11の間 |
V35-V36 | 健康保険 | L3でコード化されている、なぜかV35+V36は9か10 |
V37-V41 | 収入 | L3でコード化されている、なぜかV37+V38+V39+V40+V41は9から13の間 |
V42 | 平均収入 | L3でコード化されている |
V43 | 購買力 | L3でコード化されている、1から8の間。 |
V44-V64 | 各種保険支払い額 | L4でコード化 |
V65-V85 | 各種保険契約件数 | 件数 |
メモの確認用のコード。
table((tic.learn$V16+tic.learn$V17+tic.learn$V18)) table((tic.learn$V19+tic.learn$V20+tic.learn$V21+tic.learn$V22+tic.learn$V23+tic.learn$V24)) table((tic.learn$V25+tic.learn$V26+tic.learn$V27+tic.learn$V28+tic.learn$V29)) table(tic.learn$V30+tic.learn$V31) table(tic.learn$V32+tic.learn$V33+tic.learn$V34) table(tic.learn$V35+tic.learn$V36) table(tic.learn$V37+tic.learn$V38+tic.learn$V39+tic.learn$V40+tic.learn$V41)
変数詳細
Nr | Name | Description Domain |
---|---|---|
V1 | MOSTYPE | Customer Subtype see L0 |
V2 | MAANTHUI | Number of houses 1 - 10 |
V3 | MGEMOMV | Avg size household 1 - 6 |
V4 | MGEMLEEF | Avg age see L1 |
V5 | MOSHOOFD | Customer main type see L2 |
V6 | MGODRK | Roman catholic see L3 |
V7 | MGODPR | Protestant … |
V8 | MGODOV | Other religion |
V9 | MGODGE | No religion (無宗教) |
V10 | MRELGE | Married (既婚) |
V11 | MRELSA | Living together (同居) |
V12 | MRELOV | Other relation (その他) |
V13 | MFALLEEN | Singles (独身) |
V14 | MFGEKIND | Household without children (子供のいない世帯) |
V15 | MFWEKIND | Household with children (子供のいる世帯) |
V16 | MOPLHOOG | High level education (高等教育) |
V17 | MOPLMIDD | Medium level education (中等教育) |
V18 | MOPLLAAG | Lower level education (初等教育) |
V19 | MBERHOOG | High status |
V20 | MBERZELF | Entrepreneur |
V21 | MBERBOER | Farmer (農業) |
V22 | MBERMIDD | Middle management (中間管理職) |
V23 | MBERARBG | Skilled labourers (熟練労働者) |
V24 | MBERARBO | Unskilled labourers (非熟練労働者) |
V25 | MSKA | Social class A |
V26 | MSKB1 | Social class B1 |
V27 | MSKB2 | Social class B2 |
V28 | MSKC | Social class C |
V29 | MSKD | Social class D |
V30 | MHHUUR | Rented house |
V31 | MHKOOP | Home owners |
V32 | MAUT1 | 1 car (保有車1台) |
V33 | MAUT2 | 2 cars (保有車2台) |
V34 | MAUT0 | No car (保有車なし) |
V35 | MZFONDS | National Health Service |
V36 | MZPART | Private health insurance |
V37 | MINKM30 | Income < 30.000 |
V38 | MINK3045 | Income (収入) 30-45.000 |
V39 | MINK4575 | Income (収入) 45-75.000 |
V40 | MINK7512 | Income (収入) 75-122.000 |
V41 | MINK123M | Income (収入) >123.000 |
V42 | MINKGEM | Average income (平均収入) |
V43 | MKOOPKLA | Purchasing power class |
V44 | PWAPART | Contribution (契約高) private third party insurance see L4 |
V45 | PWABEDR | Contribution (契約高) third party insurance (firms) … |
V46 | PWALAND | Contribution (契約高) third party insurane (agriculture) |
V47 | PPERSAUT | Contribution (契約高) car policies |
V48 | PBESAUT | Contribution (契約高) delivery van policies |
V49 | PMOTSCO | Contribution (契約高) motorcycle/scooter policies |
V50 | PVRAAUT | Contribution (契約高) lorry policies |
V51 | PAANHANG | Contribution (契約高) trailer policies |
V52 | PTRACTOR | Contribution (契約高) tractor policies |
V53 | PWERKT | Contribution (契約高) agricultural machines policies |
V54 | PBROM | Contribution (契約高) moped policies |
V55 | PLEVEN | Contribution (契約高) life insurances |
V56 | PPERSONG | Contribution (契約高) private accident insurance policies |
V57 | PGEZONG | Contribution (契約高) family accidents insurance policies |
V58 | PWAOREG | Contribution (契約高) disability insurance policies |
V59 | PBRAND | Contribution (契約高) fire policies |
V60 | PZEILPL | Contribution (契約高) surfboard policies |
V61 | PPLEZIER | Contribution (契約高) boat policies |
V62 | PFIETS | Contribution (契約高) bicycle policies |
V63 | PINBOED | Contribution (契約高) property insurance policies |
V64 | PBYSTAND | Contribution (契約高) social security insurance policies |
V65 | AWAPART | Number of (契約口数) private third party insurance 1 - 12 |
V66 | AWABEDR | Number of (契約口数) third party insurance (firms) … |
V67 | AWALAND | Number of (契約口数) third party insurane (agriculture) |
V68 | APERSAUT | Number of (契約口数) car policies |
V69 | ABESAUT | Number of (契約口数) delivery van policies |
V70 | AMOTSCO | Number of (契約口数) motorcycle/scooter policies |
V71 | AVRAAUT | Number of (契約口数) lorry policies |
V72 | AAANHANG | Number of (契約口数) trailer policies |
V73 | ATRACTOR | Number of (契約口数) tractor policies |
V74 | AWERKT | Number of (契約口数) agricultural machines policies |
V75 | ABROM | Number of (契約口数) moped policies |
V76 | ALEVEN | Number of (契約口数) life insurances |
V77 | APERSONG | Number of (契約口数) private accident insurance policies |
V78 | AGEZONG | Number of (契約口数) family accidents insurance policies |
V79 | AWAOREG | Number of (契約口数) disability insurance policies |
V80 | ABRAND | Number of (契約口数) fire policies |
V81 | AZEILPL | Number of (契約口数) surfboard policies |
V82 | APLEZIER | Number of (契約口数) boat policies |
V83 | AFIETS | Number of (契約口数) bicycle policies |
V84 | AINBOED | Number of (契約口数) property insurance policies |
V85 | ABYSTAND | Number of (契約口数) social security insurance policies |
V86 | CARAVAN | Number of (契約口数) mobile home policies 0 - 1 |
各変数のコーディング
L0:分類を表す数字なので、大小関係に意味がなく、名義尺度である。そのままでは説明変数にならない。
Value | Label |
---|---|
1 | High Income, expensive child |
2 | Very Important Provincials |
3 | High status seniors |
4 | Affluent senior apartments |
5 | Mixed seniors |
6 | Career and childcare |
7 | Dinki's (double income no kids) |
8 | Middle class families |
9 | Modern, complete families |
10 | Stable family |
11 | Family starters |
12 | Affluent young families |
13 | Young all american family |
14 | Junior cosmopolitan |
15 | Senior cosmopolitans |
16 | Students in apartments |
17 | Fresh masters in the city |
18 | Single youth |
19 | Suburban youth |
20 | Etnically diverse |
21 | Young urban have-nots |
22 | Mixed apartment dwellers |
23 | Young and rising |
24 | Young, low educated |
25 | Young seniors in the city |
26 | Own home elderly |
27 | Seniors in apartments |
28 | Residential elderly |
29 | Porchless seniors: no front yard |
30 | Religious elderly singles |
31 | Low income catholics |
32 | Mixed seniors |
33 | Lower class large families |
34 | Large family, employed child |
35 | Village families |
36 | Couples with teens 'Married with children' |
37 | Mixed small town dwellers |
38 | Traditional families |
39 | Large religous families |
40 | Large family farms |
41 | Mixed rurals |
L1:大きさが年齢の順なので、そのまま説明変数に使える。
1 | 20-30 years |
2 | 30-40 years |
3 | 40-50 years |
4 | 50-60 years |
5 | 60-70 years |
6 | 70-80 years |
L2:数字は分類を表すだけなので、連続尺度でも順序尺度でもなく、名義尺度。そのままでは説明変数にならない。
1 | Successful hedonists |
2 | Driven Growers |
3 | Average Family |
4 | Career Loners |
5 | Living well |
6 | Cruising Seniors |
7 | Retired and Religeous |
8 | Family with grown ups |
9 | Conservative families |
10 | Farmers |
L3:順序尺度。このまま連続尺度の説明変数として用いる。
0 | 0% |
1 | 1 - 10% |
2 | 11 - 23% |
3 | 24 - 36% |
4 | 37 - 49% |
5 | 50 - 62% |
6 | 63 - 75% |
7 | 76 - 88% |
8 | 89 - 99% |
9 | 100% |
L4: 順序尺度。今回はこのまま連続尺度の変数として用いる。
0 | f 0 |
1 | f 1 - 49 |
2 | f 50 - 99 |
3 | f 100 - 199 |
4 | f 200 - 499 |
5 | f 500 - 999 |
6 | f 1000 - 4999 |
7 | f 5000 - 9999 |
8 | f 10.000 - 19.999 |
9 | f 20.000 - ? |
データのダウンロードと読み込み
演習で用いる保険データは、大学内からであれば、Rに次の命令を実行すれば読み込める。
Sys.setenv("http_proxy"="http://130.153.8.66:8080/") tic.learn <- read.table("http://kdd.ics.uci.edu/databases/tic/ticdata2000.txt") tic.eval <- read.table("http://kdd.ics.uci.edu/databases/tic/ticeval2000.txt") tic.test <- read.table("http://kdd.ics.uci.edu/databases/tic/tictgts2000.txt") tic.eval <- cbind(tic.eval, tic.test) colnames(tic.eval)[86] <- "V86" rm(tic.test)
学外もしくは自宅等であれば、最初の1行(Sys.setenvで始まる行)は不要。
参考
kernlabパッケージに、加工済みのデータが入っていて、それを使うこともできる。
install.packages(c("kernlab"), dependencies=TRUE) tic.learn <- ticdata[1:5822,] tic.eval <- ticdata[5823:9822,]
準備
上のデータの読み込みを実行済みであれば、この課題ではMASSライブラリを使う可能性があるので、それを読み込んでおく。
library(MASS)
回帰分析
回帰分析をするだけ
V1からV85を説明変数にして、V86を予測するだけなら、次の命令をコピーして貼り付けたら、パラメータの最小二乗推定値は得られる。
lm(V86~V1 +V2 +V3 +V4 +V5 +V6 +V7 +V8 +V9 +V10 +V11+V12+V13+V14+V15+V16+V17+V18+V19+V20 +V21+V22+V23+V24+V25+V26+V27+V28+V29+V30 +V31+V32+V33+V34+V35+V36+V37+V38+V39+V40 +V41+V42+V43+V44+V45+V46+V47+V48+V49+V50 +V51+V52+V53+V54+V55+V56+V57+V58+V59+V60 +V61+V62+V63+V64+V65+V66+V67+V68+V69+V70 +V71+V72+V73+V74+V75+V76+V77+V78+V79+V80 +V81+V82+V83+V84+V85, data=tic.learn)
先ほどと同様に、と回帰分析を実行するには、次のようにすれば、各種統計量も診断用のグラフも出力される。
lm.learn.0 <- lm(V86~V1 +V2 +V3 +V4 +V5 +V6 +V7 +V8 +V9 +V10 +V11+V12+V13+V14+V15+V16+V17+V18+V19+V20 +V21+V22+V23+V24+V25+V26+V27+V28+V29+V30 +V31+V32+V33+V34+V35+V36+V37+V38+V39+V40 +V41+V42+V43+V44+V45+V46+V47+V48+V49+V50 +V51+V52+V53+V54+V55+V56+V57+V58+V59+V60 +V61+V62+V63+V64+V65+V66+V67+V68+V69+V70 +V71+V72+V73+V74+V75+V76+V77+V78+V79+V80 +V81+V82+V83+V84+V85, data=tic.learn) print(lm.learn.0) summary(lm.learn.0) plot(lm.learn.0)
ただ、これではV1やV5の扱いを「数値」としてしまっているし、有意でない(*やや*がついてない)変数も多くモデルに取り込まれてしまっている。 そこで、データマイニング手法を「線形モデル」に限るならば、モデルに対して次の2つの対応をとることが必要になる。
- 予測の役に立たない不要な変数を削る
- 本来は「分類コード」として扱うべき変数を、「数値データ」として扱っている現状を解消する
それぞれ順に説明する。
予測に不要な変数を削る
変数増減法という方法がある。上で得たlm.learn.0という「すべての変数を説明変数に加えた回帰モデル」に対して、
lm.learn.AIC <- stepAIC(lm.learn.0, direction="both")
との1行を実行すると、AICという基準に照らして、不要な変数を1つずつ取り除か加えるか、検討してくれて、一番不要な変数から順に出し入れすることで、最適なモデルに到達するよう頑張ってくれる。
分類コード(水準, 因子変数)の扱い
V1とV5の中身は、前述のように分類コードである。前回の課題で、ヒストグラムを描こうとすると、エラーが発生したかもしれない。 Rでは、中身が分類コードや水準である変数のことを、因子変数(factor)と呼ぶ。 V1とV5を因子変数に変換するには、次の2行を実行して、V1とV5を「分類尺度」に変換した変数をそれぞれ、V1fおよびV5fと名付ける。
tic.learn$V1f <- as.factor(tic.learn$V1) tic.learn$V5f <- as.factor(tic.learn$V5)
通常の数値変数(numeric)と因子変数(factor)の違いは、以下、幾つかのグラフを描いているので、1行ずつ貼って実行していくと、違いが分かる。
V1やV5のヒストグラムは、hist関数を用いて
hist(tic.learn$V1) hist(tic.learn$V5)
などで描ける。一方、V1fやV5fのヒストグラムは
hist(tic.learn$V1f) hist(tic.learn$V5f)
を実行するとエラーになる。これを得るには、table関数で集計してから、barplot関数で棒グラフを描く。
barplot(table(tic.learn$V1f)) barplot(table(tic.learn$V5f)
更にカテゴリごとの契約の有無の割合を見るには
barplot(table(tic.learn$V86,tic.learn$V1f)) barplot(table(tic.learn$V86,tic.learn$V5f))
とする。色の濃い部分が契約無、色の薄い部分が契約有である。
参考までに、因子変数を用いた回帰分析を実行するには、
lm.learn.1 <- lm(V86~V1f+V2 +V3 +V4 +V5f+V6 +V7 +V8 +V9 +V10 +V11+V12+V13+V14+V15+V16+V17+V18+V19+V20 +V21+V22+V23+V24+V25+V26+V27+V28+V29+V30 +V31+V32+V33+V34+V35+V36+V37+V38+V39+V40 +V41+V42+V43+V44+V45+V46+V47+V48+V49+V50 +V51+V52+V53+V54+V55+V56+V57+V58+V59+V60 +V61+V62+V63+V64+V65+V66+V67+V68+V69+V70 +V71+V72+V73+V74+V75+V76+V77+V78+V79+V80 +V81+V82+V83+V84+V85, data=tic.learn) print(lm.learn.1) summary(lm.learn.1) plot(lm.learn.1)
とすればよい。ただ、これではV5fについての推定ができず、まだまだ問題があることがわかる。
分類変数のグループ化
推定に問題が発生したり、カテゴリが多すぎることを解消するには、V1とV86のtable関数による集計結果や、V5とV86の集計結果を参考に、V1とV5について「幾つかのカテゴリをまとめてしまうグルーピング」という操作を行うことが1案である。 回帰分析でも決定木分析でも数千のサンプルで40以上の分類は、これだけ変数があると細かすぎる。
まず集計方法を再掲する。
library(mvpart) table(tic.learn$V1f, tic.learn$V86) table(tic.learn$V5f, tic.learn$V86)
これらをグラフに描くには
barchart(table(tic.learn$V1f, tic.learn$V86)) barchart(table(tic.learn$V5f, tic.learn$V86))
とする。
さて、V86の予測にV1のどのカテゴリが不要かを見るために、決定木分析を行ってみる。 決定木(実際には回帰木)を用いて、V86の増加に寄与しそうなカテゴリのみを残す。 目論見は次の2点。
- 契約にあまり寄与しないカテゴリには、コード0を割り当ててしまおう。
- 契約にしそうなカテゴリは残そう。
library(mvpart) rpart(V86~V1f, data=tic.learn, control=rpart.control(cp=0))
剪定せずにそのまま出力した回帰樹は次の通り。
n= 5822 node), split, n, deviance, yval * denotes terminal node 1) root 5822 327.1989000 0.05977327 2) V1f=2,4,5,7,9,10,11,13,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41 4880 220.0654000 0.04733607 4) V1f=4,5,9,15,16,17,18,19,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,35,40,41 2075 56.3788000 0.02795181 8) V1f=15,16,17,18,19,21,23,25,26,27,28,29,40,41 885 14.7457600 0.01694915 16) V1f=15,16,17,18,19,21,28,40 163 0.0000000 0.00000000 * 17) V1f=23,25,26,27,29,41 722 14.6883700 0.02077562 34) V1f=23 251 3.9362550 0.01593625 * 35) V1f=25,26,27,29,41 471 10.7431000 0.02335456 70) V1f=26,27 98 1.9591840 0.02040816 140) V1f=27 50 0.9800000 0.02000000 * 141) V1f=26 48 0.9791667 0.02083333 * 71) V1f=25,29,41 373 8.7828420 0.02412869 142) V1f=29 86 1.9534880 0.02325581 * 143) V1f=25,41 287 6.8292680 0.02439024 * 9) V1f=4,5,9,22,24,30,31,35 1190 41.4462200 0.03613445 18) V1f=24,30,31 503 14.5526800 0.02982107 36) V1f=24,31 385 10.6857100 0.02857143 72) V1f=24 180 4.8611110 0.02777778 * 73) V1f=31 205 5.8243900 0.02926829 * 37) V1f=30 118 3.8644070 0.03389831 * 19) V1f=4,5,9,22,35 687 26.8588100 0.04075691 38) V1f=4,35 266 9.6240600 0.03759398 76) V1f=35 214 7.7009350 0.03738318 * 77) V1f=4 52 1.9230770 0.03846154 * 39) V1f=5,9,22 421 17.2304000 0.04275534 78) V1f=22 98 3.8367350 0.04081633 * 79) V1f=5,9 323 13.3931900 0.04334365 158) V1f=9 278 11.4820100 0.04316547 * 159) V1f=5 45 1.9111110 0.04444444 * 5) V1f=2,7,10,11,13,20,32,33,34,36,37,38,39 2805 162.3301000 0.06167558 10) V1f=10,11,32,33,34,39 1779 94.3788600 0.05621135 20) V1f=34 182 8.5549450 0.04945055 * 21) V1f=10,11,32,33,39 1597 85.8146500 0.05698184 42) V1f=10 165 8.5090910 0.05454545 * 43) V1f=11,32,33,39 1432 77.3044700 0.05726257 86) V1f=32,33 951 50.9337500 0.05678233 172) V1f=32 141 7.5460990 0.05673759 * 173) V1f=33 810 43.3876500 0.05679012 * 87) V1f=11,39 481 26.3700600 0.05821206 174) V1f=39 328 17.8993900 0.05792683 * 175) V1f=11 153 8.4705880 0.05882353 * 11) V1f=2,7,13,20,36,37,38 1026 67.8060400 0.07115010 22) V1f=7,38 383 24.2349900 0.06788512 44) V1f=38 339 21.4395300 0.06784661 * 45) V1f=7 44 2.7954550 0.06818182 * 23) V1f=2,13,20,36,37 643 43.5645400 0.07309487 46) V1f=2,13,36 486 32.4794200 0.07201646 92) V1f=36 225 14.8622200 0.07111111 * 93) V1f=2,13 261 17.6168600 0.07279693 186) V1f=13 179 12.0558700 0.07262570 * 187) V1f=2 82 5.5609760 0.07317073 * 47) V1f=20,37 157 11.0828000 0.07643312 94) V1f=37 132 9.2424240 0.07575758 * 95) V1f=20 25 1.8400000 0.08000000 * 3) V1f=1,3,6,8,12 942 102.4682000 0.12420380 6) V1f=1,3,6 492 44.9187000 0.10162600 12) V1f=3,6 368 33.2798900 0.10054350 24) V1f=3 249 22.4899600 0.10040160 * 25) V1f=6 119 10.7899200 0.10084030 * 13) V1f=1 124 11.6371000 0.10483870 * 7) V1f=8,12 450 57.0244400 0.14888890 14) V1f=12 111 13.6936900 0.14414410 * 15) V1f=8 339 43.3274300 0.15044250 *
上の決定木の結果を見るなどして、下の「V1の値をV1grに代入するだけのコード」の右辺をいろいろ変えてみて、「V1の値の種類を減らす工夫」(グルーピング)をする。 これをメモ帳に貼り付けて幾つかを0にしたり、幾つかの変数に同じ値を割り振るなど、が実際の作業となる。 勿論、グルーピングの結果はレポートに記すこと。
tic.learn$V1gr <- 0 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==1] <- 1 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==2] <- 2 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==3] <- 3 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==4] <- 4 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==5] <- 5 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==6] <- 6 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==7] <- 7 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==8] <- 8 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==9] <- 9 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==10] <- 10 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==11] <- 11 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==12] <- 12 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==13] <- 13 #tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==14] <- 14 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==15] <- 15 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==16] <- 16 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==17] <- 17 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==18] <- 18 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==19] <- 19 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==20] <- 10 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==21] <- 21 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==22] <- 22 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==23] <- 23 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==24] <- 24 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==25] <- 25 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==26] <- 26 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==27] <- 27 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==28] <- 28 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==29] <- 29 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==30] <- 30 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==31] <- 31 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==32] <- 32 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==33] <- 33 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==34] <- 34 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==35] <- 35 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==36] <- 36 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==37] <- 37 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==38] <- 38 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==39] <- 39 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==40] <- 40 tic.learn$V1gr[tic.learn$V1==41] <- 41 tic.learn$V1gr <- as.factor(tic.learn$V1gr)
V5についても同様。
rpart(V86~V5f, data=tic.learn, control=rpart.control(cp=0))
V5の値も幾つかのグループにまとめる。
tic.learn$V5gr <- 0 tic.learn$V5gr[tic.learn$V5==1] <- 1 tic.learn$V5gr[tic.learn$V5==2] <- 2 tic.learn$V5gr[tic.learn$V5==3] <- 3 tic.learn$V5gr[tic.learn$V5==4] <- 4 tic.learn$V5gr[tic.learn$V5==5] <- 5 tic.learn$V5gr[tic.learn$V5==6] <- 6 tic.learn$V5gr[tic.learn$V5==7] <- 7 tic.learn$V5gr[tic.learn$V5==8] <- 8 tic.learn$V5gr[tic.learn$V5==9] <- 9 tic.learn$V5gr[tic.learn$V5==10] <- 10 tic.learn$V5gr <- as.factor(tic.learn$V5gr)
参考までに、V1とV5で回帰樹を作ってみると・・・。
rpart(V86~V1f+V5f, data=tic.learn, control=rpart.control(cp=0))
保険データへの決定木分析の適用に際しては、このページやこのページが参考になるかもしれない。
ここまで行うと、回帰分析を実行する関数は、次のようになる。(V1grとV5grを定義していなければエラーが表示されるだけ)
lm.learn.2 <- lm(V86~V1gr+V2 +V3 +V4 +V5gr+V6 +V7 +V8 +V9 +V10 +V11+V12+V13+V14+V15+V16+V17+V18+V19+V20 +V21+V22+V23+V24+V25+V26+V27+V28+V29+V30 +V31+V32+V33+V34+V35+V36+V37+V38+V39+V40 +V41+V42+V43+V44+V45+V46+V47+V48+V49+V50 +V51+V52+V53+V54+V55+V56+V57+V58+V59+V60 +V61+V62+V63+V64+V65+V66+V67+V68+V69+V70 +V71+V72+V73+V74+V75+V76+V77+V78+V79+V80 +V81+V82+V83+V84+V85, data=tic.learn) print(lm.learn.2) summary(lm.learn.2) plot(lm.learn.2)
決定木分析
とりあえず決定木分析を実行してみる
rpart.learn.0 <- rpart(V86~V1f+V2 +V3 +V4 +V5f+V6 +V7 +V8 +V9 +V10 +V11+V12+V13+V14+V15+V16+V17+V18+V19+V20 +V21+V22+V23+V24+V25+V26+V27+V28+V29+V30 +V31+V32+V33+V34+V35+V36+V37+V38+V39+V40 +V41+V42+V43+V44+V45+V46+V47+V48+V49+V50 +V51+V52+V53+V54+V55+V56+V57+V58+V59+V60 +V61+V62+V63+V64+V65+V66+V67+V68+V69+V70 +V71+V72+V73+V74+V75+V76+V77+V78+V79+V80 +V81+V82+V83+V84+V85, data=tic.learn) print(rpart.learn.0) summary(rpart.learn.0) plot(rpart.learn.0) text(rpart.learn.0)
決定木分析をいろいろチューニングする (オプション課題)
rpart関数の分割を決める制御変数には
rpart.controlの引数 | 意味 | デフォルト値 |
---|---|---|
minsplit | ノードの分割を試みる最小のレコード数 | 20 |
minbucket | 終端ノードのレコード数の最小値 | round(minsplit/3) |
cp | 決定木の複雑さを調整するパラメータ | 0.05 |
maxdepth | 決定木の最大の深さ | 30 |
などがある.他にも,
rpart.controlの引数 | 意味 | デフォルト値 |
---|---|---|
maxcompete | the number of competitor splits retained in the output | 4 |
maxsurrogate | the number of surrogate splits retained in the output | 5 |
usesurrrogate | how to use surrogates in the splitting process | 2 |
xval | number of cross-validations | 10 |
surrogatestyle | controls the selection of a best surrogate | 0 |
などがあるが,このデータの分析では使わない.
例えば次のように、分割する際のノードの最小データ数minsplitを5、複雑さの最小値cpを0.001とすると、結構、複雑な決定木に成長する。
rpart.learn.1 <- rpart(V86~V1f+V2 +V3 +V4 +V5f+V6 +V7 +V8 +V9 +V10 +V11+V12+V13+V14+V15+V16+V17+V18+V19+V20 +V21+V22+V23+V24+V25+V26+V27+V28+V29+V30 +V31+V32+V33+V34+V35+V36+V37+V38+V39+V40 +V41+V42+V43+V44+V45+V46+V47+V48+V49+V50 +V51+V52+V53+V54+V55+V56+V57+V58+V59+V60 +V61+V62+V63+V64+V65+V66+V67+V68+V69+V70 +V71+V72+V73+V74+V75+V76+V77+V78+V79+V80 +V81+V82+V83+V84+V85, data=tic.learn, control=c(minsplit=5, cp=0.001)) print(rpart.learn.1) summary(rpart.learn.1) plot(rpart.learn.1) text(rpart.learn.1)
これはきっと、成長させすぎ・・・。複雑さの下限cpをさらに0.0001と小さくすると,より複雑な木が得られる。 グラフもノード数が増えるので,字が小さくなる。
レポート提出について
レポート提出要領:下記「XXXXXXX」は各自の学籍番号(半角文字)で置き換えること
項目 | 指定 |
---|---|
提出期限 | 実験実施の翌週の月曜日の午後7時0分まで (今回は12月17日の午後7時) |
提出方法 | 電子メールに添付 (宛先は配付資料に記載) |
ファイル形式 | Wordファイル (LaTeXで作成する場合は、dvipdfmxでPDFに変換すること) |
メールの件名 | 統計工学実験2レポート提出(XXXXXXX) |
レポートファイルの名称 | 統計工学実験2_XXXXXXX.doc あるいは 統計工学実験2_XXXXXXX.docx |
提出部数 | レポートは各自1通ずつ。レポートの表紙に、共同実験者の学籍番号と氏名を記すこと。 |
参考文献
- 永田・棟近 (2001) 多変量解析法入門, サイエンス社
練習課題(参考)
決定木について、理解が難しい人は、この部分の決定木の箇所だけでも実行して考えてみるといい。この箇所は今回の課題ではない。
タイタニック号
タイタニック号の乗客の生死のデータがある。Rで
Titanic
と実行すると、表示される。
これを個別のレコードに展開し、更に救出の優先順位を高く設定された女性もしくは子供と、低めに設定された成人男性という変数も加える。
data("Titanic", package = "datasets") titanic <- as.data.frame(Titanic) titanic <- titanic[rep(1:nrow(titanic), titanic$Freq), 1:4] names(titanic)[2] <- "Gender" titanic <- transform(titanic, Treatment = factor( Gender == "Female" | Age == "Child", levels = c(FALSE, TRUE), labels = c("Normal\n(Male&Adult)", "Preferential\n(Female|Child)") ))
さらに、数値に変換したデータも用意する。これは、線形学習機械とロジスティック学習機械のために用いる。
titanic.2 <- data.frame(Gender=(titanic$Gender=="Female")*1, Age=(titanic$Age=="Child")*1, Survived=(titanic$Survived=="Yes")*1, Class=(titanic$Class=="Crew")*1+(titanic$Class=="3rd")*2+(titanic$Class=="2nd")*3+(titanic$Class=="1st")*4)
変数 | 数値化情報 |
性別(Gender) | 女性(Female)=1, 男性(Male)=0 |
年齢(Age) | 子供(Child)=1, 大人(Adult)=0 |
客室等級(Class) | 1等(1st)=4,2等(2nd)=3,3等(3rd)=2,乗組員(Crew)=1 |
生存(Survived) | 生存(Yes)=1,死亡(No)=0 |
先週の課題と同等の課題
先週の課題は、タイタニック号で、生存率が高くなる条件を求めよ、という問題と同等。 まず titanic というデータに含まれる変数の一覧を
names(titanic)
で取り出す。すると
[1] "Class" "Gender" "Age" "Survived" "Treatment"
のように5個の変数があることが分かる。
これを用いて、生存(Survived)についての集計を、客室等級(Class)、性別(Gender)、年齢層(Age)の組み合わせで行うには、次の1行を実行する。 「$」の前がデータ名、「$」の後ろに変数名(フィールド名)を付ける。
ftable(titanic$Gender,titanic$Age,titanic$Class, titanic$Survived)
すると
No Yes Male Child 1st 0 5 2nd 0 11 3rd 35 13 Crew 0 0 Adult 1st 118 57 2nd 154 14 3rd 387 75 Crew 670 192 Female Child 1st 0 1 2nd 0 13 3rd 17 14 Crew 0 0 Adult 1st 4 140 2nd 13 80 3rd 89 76 Crew 3 20
と出力されるのを、各自確認せよ。
同じことは、数値化したデータを用いても得られる。
ftable(titanic.2$Gender,titanic.2$Age,titanic.2$Class, titanic.2$Survived)
上の出力と下の出力を見比べて、各変数の値の数値化を確認せよ。
0 1 0 0 1 670 192 2 387 75 3 154 14 4 118 57 1 1 0 0 2 35 13 3 0 11 4 0 5 1 0 1 3 20 2 89 76 3 13 80 4 4 140 1 1 0 0 2 17 14 3 0 13 4 0 1
線形学習機械
上のデータ(titanic.2)に対して
lm(Survived~., data=titanic.2)
を実行すると、全変数を用いた線形学習機械が最小二乗法により、学習される。学習結果のみなら、この一行で
Call: lm(formula = Survived ~ ., data = titanic.2) Coefficients: (Intercept) Gender Age Class 0.11725 0.46493 0.09655 0.05029
と出力される。
この結果に、統計的推測の結果を付与するなら
summary(lm(Survived~., data=titanic.2))
を実行すればよい。summary()の出力は次のように得られる。
Call: lm(formula = Survived ~ ., data = titanic.2) Residuals (残差の分布): Min 1Q Median 3Q Max -0.7833 -0.2178 -0.1675 0.2207 0.8325 Coefficients (回帰係数): Estimate Std. Error t value Pr(>|t|) 推定値 標準誤差 t値 P値 (Intercept) 0.117252 0.019113 6.135 1.01e-09 *** 切片 Gender 0.464930 0.023325 19.933 < 2e-16 *** Age 0.096553 0.040856 2.363 0.0182 * Class 0.050289 0.008989 5.594 2.49e-08 *** --- Signif. codes (有意水準の表示法): 0 '***' 0.001 '**' 0.01 '*' 0.05 '.' 0.1 ' ' 1 Residual standard error (残差の標準偏差): 0.4131 on 2197 degrees of freedom Multiple R-squared (決定係数): 0.2209, Adjusted R-squared (自由度調整済み決定係数): 0.2198 F-statistic (F統計量、分散分析の結果): 207.7 on 3 and 2197 DF, p-value: < 2.2e-16
線形学習機械のチューニング
AICを用いた説明変数の選択を行うのであれば、
library(MASS)
とMASSパッケージを読み込んでから使える関数stepAIC()を用いて、
stepAIC(lm(Survived~., data=titanic.2))
を実行する。
Start: AIC=-3887.24 Survived ~ Gender + Age + Class Df Sum of Sq RSS AIC <none> 374.99 -3887.2 - Age 1 0.953 375.95 -3883.7 - Class 1 5.342 380.33 -3858.1 - Gender 1 67.815 442.81 -3523.4 Call: lm(formula = Survived ~ Gender + Age + Class, data = titanic.2) Coefficients: (Intercept) Gender Age Class 0.11725 0.46493 0.09655 0.05029
これはAICを変数増減法で最適化する関数であり、最終的に採用するモデルを出力してくれる便利な関数である。
関係するグラフ
titanic.lm <- lm(Survived~., data=titanic.2) par(mfrow=c(2,2)) plot(titanic.lm) par(mfrow=c(1,1))
学習結果の解釈
上の回帰分析から
Survived = 0.11725 + 0.46493 * Gender + 0.09655 * Age + 0.05029 * Class
という学習結果が得られた。Survivedを大きくする(=生存する)ために、Genderが0よりは1の方が良いことは、回帰係数 0.46493 を見れば分かる。 同様に Age も0よりは1の方が良く、Classも1よりは4の方が良い。 そしてどの変数も有意であることから、生存するためには、
- 男性よりは女性
- 大人よりは子供
- 客室等級は高めの部屋を選ぶ
のが好条件となることが分かる。
ロジスティック線形学習機械
生存確率をpとして
log(p/1-p)
を与える学習機械が、ロジスティック回帰モデルである。Rではglm()という関数を用いて
glm(Survived~., data=titanic.2, family="binomial")
で、ロジスティック回帰モデルを最尤推定で学習させることができる。 結果は
Call: glm(formula = Survived ~ ., family = "binomial", data = titanic.2) Coefficients: (Intercept) Gender Age Class -1.8622 2.0580 0.5115 0.2783 Degrees of Freedom: 2200 Total (i.e. Null); 2197 Residual Null Deviance: 2769 Residual Deviance: 2299 AIC: 2307
と、lm()と似た出力を得る。 これもsummary()を加えて
summary(glm(Survived~., data=titanic.2, family="binomial"))
を実行すると、
Call: glm(formula = Survived ~ ., family = "binomial", data = titanic.2) Deviance Residuals: Min 1Q Median 3Q Max -1.7597 -0.6926 -0.6109 0.7055 1.8818 Coefficients: Estimate Std. Error z value Pr(>|z|) (Intercept) -1.86224 0.11615 -16.033 < 2e-16 *** Gender 2.05802 0.12604 16.328 < 2e-16 *** Age 0.51147 0.22292 2.294 0.0218 * Class 0.27834 0.05047 5.515 3.48e-08 *** --- Signif. codes: 0 '***' 0.001 '**' 0.01 '*' 0.05 '.' 0.1 ' ' 1 (Dispersion parameter for binomial family taken to be 1) Null deviance: 2769.5 on 2200 degrees of freedom Residual deviance: 2299.2 on 2197 degrees of freedom AIC: 2307.2 Number of Fisher Scoring iterations: 4
と、種々の検定統計量が一緒に出力される。
ロジスティック学習機械のチューニング
AICを用いた説明変数の選択を行うのであれば、
library(MASS)
とMASSパッケージを読み込んでから使える関数stepAIC()を用いて、
stepAIC(glm(Survived~., data=titanic.2, family="binomial"))
を実行する。
Start: AIC=2307.21 Survived ~ Gender + Age + Class Df Deviance AIC <none> 2299.2 2307.2 - Age 1 2304.4 2310.4 - Class 1 2329.1 2335.1 - Gender 1 2595.5 2601.5 Call: glm(formula = Survived ~ Gender + Age + Class, family = "binomial", data = titanic.2) Coefficients: (Intercept) Gender Age Class -1.8622 2.0580 0.5115 0.2783 Degrees of Freedom: 2200 Total (i.e. Null); 2197 Residual Null Deviance: 2769 Residual Deviance: 2299 AIC: 2307
これはAICを変数増減法で最適化する関数であり、最終的に採用するモデルを出力してくれる便利な関数である。
関係するグラフ
titanic.glm <- glm(Survived~., data=titanic.2, family="binomial") par(mfrow=c(2,2)) plot(titanic.glm) par(mfrow=c(1,1))
学習結果の解釈
上の回帰分析から
log(Pr[Survived]/(1-Pr[Survived])) = -1.86224 + 2.050802 * Gender + 0.51147 * Age + 0.27834 * Class
という学習結果が得られた。Pr[Survived](生存する確率)を大きくするために、Genderが0よりは1の方が良いことは、回帰係数 2.050802 を見れば分かる。 同様に Age も0よりは1の方が良く、Classも1よりは4の方が良い。 そしてどの変数も有意であることから、生存するためには、
- 男性よりは女性
- 大人よりは子供
- 客室等級は高めの部屋を選ぶ
のが好条件となることが分かる。
決定木
決定木は生存確率pの高低を際立たせるような、データの分割を表現するモデルである。Rではrpartパッケージの中のrpart()、もしくはmvpartパッケージの中のmvpart()という関数を用いて
library(mvpart) rpart(Survived~.,data=titanic)
で、決定木を学習させることができる。 結果は
n= 2201 node), split, n, loss, yval, (yprob) * denotes terminal node 1) root 2201 711 No (0.6769650 0.3230350) 2) Gender=Male 1731 367 No (0.7879838 0.2120162) 4) Age=Adult 1667 338 No (0.7972406 0.2027594) * 5) Age=Child 64 29 No (0.5468750 0.4531250) 10) Class=3rd 48 13 No (0.7291667 0.2708333) * 11) Class=1st,2nd 16 0 Yes (0.0000000 1.0000000) * 3) Gender=Female 470 126 Yes (0.2680851 0.7319149) 6) Class=3rd 196 90 No (0.5408163 0.4591837) * 7) Class=1st,2nd,Crew 274 20 Yes (0.0729927 0.9270073) *
と、これまでとは違ったものになる。各行はノードと呼ばれる分割単位を表し、 たとえば
1) root 2201 711 No (0.6769650 0.3230350)
は、
- データ全体(root)はレコード数が2201
- このノードの代表値(一番多い値)はNo
- 2201のうち711はNoでない
- YesとNoの比は0.6769650:0.3230350
を意味する。これを性別で分割すると
2) Gender=Male 1731 367 No (0.7879838 0.2120162) 3) Gender=Female 470 126 Yes (0.2680851 0.7319149)
を得た、とある。これは
- データ全体を性別で分割すると、生存確率がもっとも差が開く
- 男性の代表値はNo(死亡)、0.7879838は死亡確率を意味するので、生存確率は0.2120162
- 女性の代表値はYes(生存)、0.7319149は生存確率
と読み取ることができる。 生存確率の高いノードを探すと
7) Class=1st,2nd,Crew 274 20 Yes (0.0729927 0.9270073) *
が目に付く。これは、
- Gender=Female
- Class=1st,2nd,Crew
と条件がふたつついたノードであり、「女性かつ1等客室の乗客、2等客室の乗客、または乗組員」となる。 この属性を持つ人々は、生存確率が0.9270073と最も高い。 逆に最も生存確率が低いのは
10) Class=3rd 48 13 No (0.7291667 0.2708333) *
であり、このノードまでを
- Gender=Male
- Age=Adult
- Class=3rd
と辿れることから、「男性で成人で3等客室の乗客」は生存確率が0.2708333と最も低かったことが分かる。
これもsummary()を加えて
summary(rpart(Survived~.,data=titanic))
を実行すると、
Call: rpart(formula = Survived ~ ., data = titanic) n= 2201 CP nsplit rel error xerror xstd 1 0.30661041 0 1.0000000 1.0000000 0.03085662 2 0.02250352 1 0.6933896 0.7102672 0.02774463 3 0.01125176 2 0.6708861 0.6947961 0.02752965 4 0.01000000 4 0.6483826 0.6877637 0.02743006 Node number 1: 2201 observations, complexity param=0.3066104 predicted class=No expected loss=0.323035 class counts: 1490 711 probabilities: 0.677 0.323 left son=2 (1731 obs) right son=3 (470 obs) Primary splits: Gender splits as LR, improve=199.821600, (0 missing) Treatment splits as LR, improve=198.792000, (0 missing) Class splits as RRLL, improve= 69.684100, (0 missing) Age splits as RL, improve= 9.165241, (0 missing) Surrogate splits: Treatment splits as LR, agree=0.971, adj=0.864, (0 split) Node number 2: 1731 observations, complexity param=0.01125176 predicted class=No expected loss=0.2120162 class counts: 1364 367 probabilities: 0.788 0.212 left son=4 (1667 obs) right son=5 (64 obs) Primary splits: Age splits as RL, improve=7.726764, (0 missing) Treatment splits as LR, improve=7.726764, (0 missing) Class splits as RLLL, improve=7.046106, (0 missing) Surrogate splits: Treatment splits as LR, agree=1, adj=1, (0 split) Node number 3: 470 observations, complexity param=0.02250352 predicted class=Yes expected loss=0.2680851 class counts: 126 344 probabilities: 0.268 0.732 left son=6 (196 obs) right son=7 (274 obs) Primary splits: Class splits as RRLR, improve=50.015320, (0 missing) Age splits as LR, improve= 1.197586, (0 missing) Surrogate splits: Age splits as LR, agree=0.619, adj=0.087, (0 split) Node number 4: 1667 observations predicted class=No expected loss=0.2027594 class counts: 1329 338 probabilities: 0.797 0.203 Node number 5: 64 observations, complexity param=0.01125176 predicted class=No expected loss=0.453125 class counts: 35 29 probabilities: 0.547 0.453 left son=10 (48 obs) right son=11 (16 obs) Primary splits: Class splits as RRL-, improve=12.76042, (0 missing) Node number 6: 196 observations predicted class=No expected loss=0.4591837 class counts: 106 90 probabilities: 0.541 0.459 Node number 7: 274 observations predicted class=Yes expected loss=0.0729927 class counts: 20 254 probabilities: 0.073 0.927 Node number 10: 48 observations predicted class=No expected loss=0.2708333 class counts: 35 13 probabilities: 0.729 0.271 Node number 11: 16 observations predicted class=Yes expected loss=0 class counts: 0 16 probabilities: 0.000 1.000
と、分割の経緯が一緒に出力される。
決定木のチューニング
上のsummary()の出力の中に「complexity param」という項目が見られる。 rpart()では、この値の下限を指定することで、生成する決定木の深さを選択できる。
次の3行による学習結果の違いを観察してみよ。
print(rpart(Survived~.,data=titanic, control=c(cp=0.5))) print(rpart(Survived~.,data=titanic, control=c(cp=0.05))) print(rpart(Survived~.,data=titanic, control=c(cp=0.005)))
関係するグラフ
titanic.rpart <- rpart(Survived~., data=titanic) plot(titanic.rpart) text(titanic.rpart)
学習結果の解釈
上の決定木の結果から、生存確率が高い条件は
- 1等・2等客室の女性乗客、または女性の乗組員
- 1等・2等客室の子供乗客
であり、生存確率が特に低いのは
- 3等客室の男性乗客
であったことが分かる。
練習課題についての課題
- 3つの分析手法を適用せよ。(時間内課題)
- 3つの分析手法の結果をまとめ、比較検討せよ。(レポート課題)
- これら以外に、Rで2値判別を行う手法を探し、適用して、比較に加えてみよ。(課外課題)
サポート欄
- data.2のyがひとつ足りなかったのを、追加しました。(1122a)
- tic.learnというデータ名をtic.leaanとミスタイプしていたのを修正しました。(1122a)
- インターネットに繋がらないパソコンを使っている人は、TAさんから次の2つのファイルを貰ってください。(1122a)
- このWikiページのPDFファイル
- ticdata2000.txt
- 回帰分析の結果から標準化残差とテコ比の散布図を描くとき、配布資料では残差を標準化するのに、「残差の平方和を残差の自由度で割ったもの」を誤差分散の推定値としますが、Rでは「残差の標本分散」を誤差分散の推定値としています。第5章の例題では、それぞれ「残差平方和/7」と「残差平方和/9」ですので、Rが描く標準化残差のグラフはすべて、配布資料よりも9/7だけ原点から拡大されることになります。(0211p)
- V1は使わないのがおすすめ。番号の順序に意味がなく、各コードごとの頻度を集計させると、次のようになるため。(0237p)
> table(tic.learn$V1) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 15 16 17 18 19 20 124 82 249 52 45 119 44 339 278 165 153 111 179 5 16 9 19 3 25 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 15 98 251 180 82 48 50 25 86 118 205 141 810 182 214 225 132 339 328 40 41 71 205
- 保険商品ごとに難易度が異なります。V86が一番簡単。
V | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
V75 | 5426 | 382 | 14 | ||||
V76 | 5529 | 173 | 100 | 11 | 8 | 1 | |
V77 | 5791 | 31 | |||||
V78 | 5784 | 38 | |||||
V79 | 5799 | 19 | 4 | ||||
V80 | 2666 | 3017 | 126 | 7 | 3 | 2 | 1 |
V81 | 5819 | 3 | |||||
V82 | 5789 | 31 | 2 | ||||
V83 | 5675 | 111 | 34 | 2 | |||
V84 | 5777 | 44 | 1 |
参考
V86も因子変数にしてみると
V86まで因子変数に変えると、glm関数の挙動が少し変わるかも。
tic.learn$V86f <- as.factor(tic.learn$V86)
訪問客リストを作成したい場合
考えたルールに基づく対象限定
各変数に閾値を設けてルールを生成したとする。 たとえば、「V47が5.5以上かつV44が1未満」または「V47が5.5以上かつV1が{1,3,6,8,12,20}のどれか」、というルールは 次のように記す。
(tic.learn$V47>5.5 & tic.learn$V44<1) | (tic.learn$V47>5.5 & (tic.learn$V1==1 |tic.learn$V1==3 | tic.learn$V1==6 | tic.learn$V1==8 | tic.learn$V1==12 | tic.learn$V1==20) )
「&」が「かつ(AND)」、「|」が「または(OR)」である。
このルールを検証用データに適用するには、
tic.learn.visit <- (tic.learn$V47>5.5 & tic.learn$V44<1) | (tic.learn$V47>5.5 & (tic.learn$V1==1 |tic.learn$V1==3 | tic.learn$V1==6 | tic.learn$V1==8 | tic.learn$V1==12 | tic.learn$V1==20) )
と、訪問するか否かを二値(TRUE, FALSE)で表すオブジェクトを生成する。 このモデルに予測に基づいた訪問の成果を検証するには、訪問対象のリストtic.visitと検証用データの正解V86のクロス集計を行えばよい。
table(tic.learn.visit) FALSE TRUE 3029 971 table(tic.learn.visit, tic.learn$V86) tic.learn.visit 0 1 FALSE 2878 151 TRUE 884 87
ここでは、訪問対象に884+87=971人を選定し、そのうちの87人が実際に契約してくれる人だったことになる。 契約率は87/971=8.96%。また誤判別率は
(884+151)/4000
で25.9%となる。
モデルに基づく対象限定
学習したモデルに基づいて、訪問対象を狭めるには、predict()という関数を用いて、訪問対象か否かというリストを作成する。 まず、設定まで調整したモデルを、学習用データ(tic.learn)から得る。
tic.rpart <- rpart(V86~., data=tic.learn, control=c(cp=0.005))
次に、このモデル(ここではtic.rpart)を検証用データ(tic.eval)に適用して、契約してくれるか否かの予測を行う。 この際、0.05という閾値も調整の必要がある。
tic.eval.visit <- predict(tic.rpart, newdata=tic.eval)[,2]>0.05
このモデルに予測に基づいた訪問の成果を検証するには、訪問対象のリストtic.visitと検証用データの正解V86のクロス集計を行えばよい。 V86の保険商品が分析対象の場合は、
table(tic.eval.visit) tic.eval.visit FALSE TRUE 2389 1611 table(tic.eval.visit, tic.eval$V86) tic.eval.visit 0 1 FALSE 2310 79 TRUE 1452 159
ここでは、訪問対象に1452+159=1611人を選定し、そのうちの159人が実際に契約してくれる人だったことになる。契約率は159/1452=11.0%。 また誤判別率は
(79+1452)/4000
で38.275%となる。
TICデータでロジスティック回帰を行う場合のメモ
想定される困難
次の1行を実行すると、かなり時間がかかってエラーになる。
tic.glm.step <- step(glm(V86~., family="binomial", data=tic.learn)
次の4行、いずれもエラーになる。変数間の関係が悪すぎるよう。変数の意味を考えて、追加しないといけないかも。
tic.glm <- glm(V86~V1+V2+V3+V4+V5+V6+V7+V8+ V10+ V11+V12+ V14+ V16+V17+ V19+V20+ V21+V22+V23+ V25+V26+V27+V28+ V30+ V33+V34+V35+ V37+V38+V39+V40+ V42+V43+V44+V45+V46+V47+V48+V49+V50+ V51+V52+V53+V54+V55+V56+V57+V58+V59+V60+ V61+V62+V63+V64+V65+V66+V67+V68+V69+V70+ V71+V72+V73+V74+V75+V76+V77+V78+V79+V80+ V81+V82+V83+V84+V85, family="binomial", data=tic.learn) table(predict(tic.glm, newdata=tic.eval)>0.5)
tic.glm <- glm(V86~ V2+V3+V4+ V6+V7+V8+ V10+ V11+V12+ V14+ V16+V17+ V19+V20+ V21+V22+V23+ V25+V26+V27+V28+ V30+ V33+V34+V35+ V37+V38+V39+V40+ V42+V43+V44+V45+V46+V47+V48+V49+V50+ V51+V52+V53+V54+V55+V56+V57+V58+V59+V60+ V61+V62+V63+V64+V65+V66+V67+V68+V69+V70+ V71+V72+V73+V74+V75+V76+V77+V78+V79+V80+ V81+V82+V83+V84+V85, family="binomial", data=tic.learn)
tic.glm <- glm(V86~V44+V45+V46+V47+V48+V49+V50+ V51+V52+V53+V54+V55+V56+V57+V58+V59+V60+ V61+V62+V63+V64+V65+V66+V67+V68+V69+V70+ V71+V72+V73+V74+V75+V76+V77+V78+V79+V80+ V81+V82+V83+V84+V85, family="binomial", data=tic.learn)
tic.glm <- glm(V86~V44+V45+V46+V47+V48+V49+V50+ V51+V52+V53+V54+V55+V56+V57+V58+V59+V60+ V61+V62+V63+V64, family="binomial", data=tic.learn)